手捏ねの穏やかな造形で高台周りは了入らしい力強い箆削りとなっております胴中心部には手捏ねの際についたと思われる指跡が景色となり茶碗の面白みに深みを出しています高台に少しだけ釉が 銀行振込の場合、振込が完了するまで商品は発送されません。振込期限を守って、スムーズな手続きを心掛けてください。
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手捏ねの穏やかな造形で、高台周りは了入らしい力強い箆削りとなっております。胴中心部には手捏ねの際についたと思われる指跡が景色となり茶碗の面白みに深みを出しています。高台に少しだけ釉が掛かり残りが土見せとなっております*写真⑩。印は高台内には捺さず、あえて腰脇に捺してあり了入らしさが表れております。こちらの印は天明の大火から剃髪(隠居)までの間使用した「中印」と呼ばれるものです*34歳~56歳まで使用。*写真③。共箱は蓋表に『黒筒茶碗 樂吉左衛門』として印が捺されております。蓋裏には藪内流10世竹翠紹智により『三番叟 休々斎(花押)』と書き付けられております。小さすぎてなかなか分かりにくいのですが、蓋桟下側にある十印の刻印は二方桟の共箱に稀に見られるもので真作の証でもあります*写真⑧。
口辺に古い直し跡が確認できます*写真⑬⑭。挟跡の付近にあることから焼成時に出来たものかのしれません。写真で分かりにくいですが、肉眼でもよく観察しないと分かりません。相当熟練された直しの技術であると推測できます。また腰にキズの様に見える箇所がありますが裏に通っておらず貫入だと思われます*写真⑮。
高さ9㎝ 口径8.1㎝(茶筅を振れる幅) 胴径9.6㎝ 高台径4.7㎝
共箱。
▢樂了入(らくりょうにゅう)
宝暦6年(1756)~天保5年(1834)
樂家9代。京都。7代長入の次男。8代得入の弟。名~吉左衛門。号~了入・翫土軒。明和7年(1770)い家督を継ぎ襲名。樂家中興の名工と称される。箆使いに優れ、掛分けを創案。
▢藪内流10世竹翠紹智(ちくすいじょうち)
天保11年(1840)〜大正6年(1917)
藪内家10世家元。号~謙斎・致恭・休々斎・竹翠・瓢庵。加賀大聖寺藩主前田候の茶堂頭兼典医として仕えたが、竹露紹智の没後、望まれて藪内家に入る。 明治11年北野大茶の湯を再興。 本願寺より茶室「篁庵」を譲られ、これを大徳寺三玄院に移築。大正6年(1917) 9月26日没
【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
茶の湯の銘 淡交社
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